ケミカルリーマンの生活を研究するブログ

化学メーカーで研究開発する筆者が日々の生活を考察していきます。

裁量労働制は自律的に働くためのあるべき姿ですよ。

最近話題の裁量労働制
国会で話題になっていたのは、適用拡大のための法案改正と、その改正を主張する根拠となるデータに信頼性が無いこと、です。
野党はそこを突いてどうするのとも思いつつ、厚労省の出したデータもさすがに酷いなぁとも思いつつ。

今日はそもそもの裁量労働制はどうあるべきかについて考えてみます。

結論としては、
社員が自律的に仕事を進めていくためのあるべき制度である。
併せて、社内の制度運営の考え方のブラッシュアップと、法令としての罰則と、労基署の監督強化が必要である。
という考え方です。

まず、制度運営の考え方のブラッシュアップについては、裁量労働制を活かすも殺すも運営の仕方によりますよね、ということです。
私は裁量労働制フレックスタイム制と、業務に応じてどちらも経験したことがありますが、実際の働き方としてはどちらも大して変わりませんでした。
裁量労働の方が残業申請をする必要がないだけ楽だな、という程度でしょうか。
これは、恐らく働き方に対する考え方が変わっていないからですよね。
では、裁量労働をどう捉えるかですが、原則として報酬を成果ベースで算定する働き方であるべきではと考えています。
現在の裁量労働制は、実際の労働時間に依らず定められた時間を働いたと考えるものなので、これも報酬は時間ベースで算定する考え方に含まれます。この点がフレックス制と変わらない要因のひとつとなります。
そこで、裁量労働の場合は基本給+成果給とすることで、基本給+残業代の労働時間で考えるフレックス制と差別化できるはずです。
ここで、きっと成果ベースの考え方やその運営が大きな課題になりますよね。
成果をどう評価すれば良いか?成果がすぐにでないような研究業務はどう評価すれば良いか?評価がなかなかでない社員はどうすれば良いか?などなど。
ここを解決するために、冒頭の考え方をブラッシュアップするべきだというのです。
考え方としては、成果ベースの働き方が会社の競争力を高める、というものですね。シンプルに。
頑張ることはエラい、のですが、正しい方向に頑張ったから成果がでる、のですよね。
同じ成果には同じ報酬を出すから、なるべく省エネでやりましょうよ。消耗しちゃうよ。持続可能な生活をしようよ。といったニュアンスですね。
働き方と報酬と制度をセットで整えましょうという提案です。
いまの20〜30代はこういう考え方が割と浸透しているように感じますが、どうでしょう。幹部クラスや、実際に評価を下す部課長クラスへの浸透が必要ですかねー。

成果ベースで考えるやり方が浸透してくると、企業研究者はあまり企業に依存しなくなるんじゃないかなーと思います。
大学などのアカデミックな職場環境と同じで人材の流動性が出てくるというわけです。
プロスポーツとか、IT系の技術者のようはすでにそうですよね。
いわゆるフリーの研究者も出てきそうです。
そうなるとより研究者の地位というか存在感が高まってきて、業界がさらに発展するのかなーなんて思います。
そんな働き方改革こそ起こしてみたいものです。

ところで、ここまでは理想論的な考え方でしたが、そううまくはいかないものですよね。
法令を守れない企業も少なくないのが現実ではないでしょうか。
最悪過労死などの問題にも繋がる労働問題なので、いかに労働者を守るかという観点も必要です。
そこで冒頭の法令の罰則と労基署の監督強化も併せて必要、という考えです。
電通の事件は過労死させても罰金50万円でしたね。あまりに罰が軽すぎます。
もし万が一の時のために重い罰則を用意し牽制しながら、日常的に労基署が監視をし続けるというシステムが必要と思います。


働き方改革に関しては、私たちの働き方に直接関わってくる話です。国も企業も私たちも、是非前向きに建設的な議論を進めていきたいです。