ケミカルリーマンの生活を研究するブログ

化学メーカーで研究開発する筆者が日々の生活を考察していきます。

【オススメ本!】日本のメーカー勤務の全サラリーマンに読んで欲しい・・!就活中の学生さんも!「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている: 再生・日本製紙石巻工場」

 

どうもこんにちは。ケミカルリーマンdaba(@chemryman)です。

先日読んだ書籍「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている: 再生・日本製紙石巻工場」がとても良かったので、ぜひオススメさせて頂きたいと思います! 

 

 

(なお、この本は図書館で借りたもので、すでに手元にはありません。ただ、あまりに私の印象に強く残ったため、記事にして残して起きたいと思い内容を思い出しながらまとめています。従ってうろ覚えの部分もあり、正確ではない記述もあるかと思います。なるべく間違いのない様にして、不安なところは曖昧に書いていますが、間違えがあったらすみません!)

 

 

概要と背景 

日本製紙は日本の製紙大手で、クリネックスやスコッティを製造販売するメーカーとして有名です。理系ならキムワイプを作っていると言う方がわかりやすいでしょうか。

その日本製紙の主力工場、石巻工場が舞台です。

3.11の発生から復興までの2年ほどを描いたノンフィクション作品です。

私は、3.11関連作品としてだけでなく、製造業で働く人たちのものづくりにかける誇りを文章にした作品としてもとても気に入りました。

工場関係者だけでなく、R&Dや営業や間接部門をはじめ、日本の製造業で働く全従業員にオススメできる一冊です!

 

オペレーターさんの愛情と誇り。 

書店で本を見るだけで何号機で作ったかまでわかる!?

石巻工場では製本用の紙の製造が主力だったそうです。本といっても文庫やコミック、雑誌などいろいろな本があり、それぞれ最適な紙があるとのこと。さらに、文庫本の中でも、わずかに紙の色味が違うとか、紙のハリやコシが違う(めくりやすさが違う)とか、そんな特徴があるそうです。

製紙のオペレーターとして経験を積むと、その違いがよくわかるようになるのでしょうか、書店で本を手に取った時に、「これは石巻工場の8号マシンで作った紙だ」というところまでわかるのだそう。

実際に書店で本を手に取り、それを自分の子供に語るシーンがとても印象的でした。そこまでわかるんだ!?という驚きと共に、日頃操作するマシンと造る紙に対する愛情と誇りを感じるシーンです。

 

 仕事に対する誇り

本書を読んでいて、誇りをもって仕事をする人はカッコいいなと思いました。

私の務める会社(工場)にも生産現場で働く方々がたくさんいます。普段は食堂や更衣室で挨拶をするぐらいだから、直接仕事への愛情や誇りを耳にすることはないけれど、それぞれに心に秘めた思いがきっとあるのだと想像しました。陽気なおっちゃんと思っていた先輩たちもちょっと見方が変わるものです。

そう思うと、それだけみな真剣に働いているということなのだから、今度から試作をお願いしたりするときも、変な処方は渡せないと身が引き締まる思いです。

 

主役はオペレーターだけじゃない!

前述のオペレータさんと8号マシンは、この本の主役なのだと思います。でも、この本を読むと工場を回すひとりひとりが主役なのだと思えるようになりました。

具体的には、震災が起きたその時に的確な避難誘導で従業員を救ったのは守衛さんたちだし、津波で被害にあった装置を再整備するときは設備や電気の部門が主役でした。

普段、あまりスポットが当たらない職種の方にもしっかり注目して記述されている点が、同じメーカー勤務の人間としてとても嬉しかったです。

 

また、工場だけでなく本社の営業部隊や経営層とのやりとりも出てきます。ノンフィクションなので当然といえば当然ながら、このシーンがとてもリアルで生々しい展開でした。意見が対立しながらも、それはお互いが最善を尽くすためと考えての事なので、そんなやりとりからも仕事に対する責任と誇りを感じます。

 

組織のチームワークとは?

最後に、この本の佳境とも言える復興の場面で心に残ったことを記します。

それは、ある1チームが組織全体に与える影響力です。 

無謀とも言える過密な復興スケジュールが示され、本当にスケジュール通りに進むのかみな半信半疑だったと言います。その中で、最初に納期を迎えるチームがどうにか期日通りに作業を終えました。そのとき、そのことを知った他のチームは「自分たちも納期通り進めなければ」と思ったそうです。他のチームに申し訳が立たないということでしょう。このことをきっかけに工場全体で復興スケジュールを達成するぞというムードが醸成されていきました。

最近私は、「腹をくくる」ことの大切さを感じる様になりました。一見無謀だと思えることでも、やらなければならない時は何としてでも達成すべく前向きに取り組む。その姿勢は、きっとチーム全体に伝播するのだと思いました。そして、組織の中にリーダー以外にひとり(ひとチーム)でも腹をくくって取り組む人(たち)がいることの重要性も同時に感じました。自分がリーダーの場面では、メンバーが一緒に腹をくくってくれるような存在になりたいと思うし、自分が1メンバーの場面では、リーダーのために腹をくくり、その姿勢でチームに好影響を与えられる存在になりたいと思います。本書では組織のチームワークとしてとても本質的で重要なことを学べました。

 

 

最後に

以上、読書感想文的なものを書かせて頂きました。

このようなメーカーのプロジェクトX的なストーリーって他にもあるのでしょうか?もしオススメの本がありましたらコメントやツイッター@chemryman)のDMなどで教えて頂けるととても嬉しいです!

 

追伸

プロジェクトXkindle版っていうのがあるんですね!

 探してみたところ化学系のものがなかったのでちょっと残念ですが、最強特許網を突破するというキヤノンコピー機の話とか面白そう。試しに読んでみようかな〜↓

 

 

それではまた!